ケンケン
コーヒー好き薬剤師、J.C.Q.A認定コーヒーインストラクター1級のケンケンです。
今回はハリオから発売されてい高機能コーヒーメーカー「V60オートプアオーバーSmart7 BT」をレビューしていきます。
この記事は以下の人におすすめ
最高なコーヒーメーカーを探している
抽出を自分で細かく設定して理想の味に近づけたい
ハンドドリップに近い味を出したい
再現性を求めていて、コーヒーの味を安定させたい
見た目にもこだわりたい
入手した経緯
最近ドリッパーのレビューをしているのですが、私の拙いハンドドリップでは再現性が低くドリッパー同士の比較が困難であるため何か良い方法はないかと思っていました。
ドリップを安定させる最も簡単な方法は、「コーヒーマシンを使う」です。
ハリオから発売されているスマート7は以前から知っており、抽出の設定を自由自在に調節できるのでこれがぴったりだと思っていたのですが、価格が高価(実売価格の最安値でも4万円台)なため手を出せずにいました。
そんな中、色々と調べていたら家電のレンタルサービス「Rentio」で借りられることを知りました。しかも月々1000円で借りられるではありませんか!最低3か月借りなければなりませんが、それでも3000円で最高機種が試せるので高くないと思い、レンタルしてみることにしました。
※久しぶりにホームページを見てみたら現在は月額4000円に値上げしていました
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HARIO コーヒーメーカー V60オートプアオーバーSmart7BT
商品スペック
V60オートプアオーバーSmart7BT
スマートフォンアプリで様々な味わいを愉しめるBluetooth対応コーヒーメーカー。
スマートフォンアプリでオリジナルレシピの作成や有名バリスタのレシピをダウンロードしてご家庭で繰り返し再現できるBluetooth対応コーヒーメーカーです。ハンドドリップに大切な要素である「湯温・湯量・スピード」を自由に設定し、様々な味わいのハンドドリップコーヒーをお愉しみいただけます。※アプリを使用するには、iOS 10.0以上、Android OS4.3以上のスマートフォンが必要です。
製品仕様 電 源:AC 100V 50/60Hz
定格消費電力:750W
最小/最大容量:270ml / 700ml
設定湯温範囲:80〜96℃
サイズ:幅245x奥行120x高さ290(mm)
コード長さ:1.5m
重量:2.0kg
品番 |
EVS-70SV-BT |
カラー |
シルバー |
製品サイズ |
幅 245 × 奥行 120 × 高 120mm |
容量 |
2−5杯 |
重量(個箱含む) |
−−−−− |
価格 |
¥70,000(本体価格) |
材質 |
|
原産国 |
本体・スタンド/韓国 ガラスドリッパー・サーバー一式、ペーパーフィルター、スプーン/日本 ドリップトレイ、ホルダーカバー/中国 ※この製品は日本で品質管理し、組立てたものです。 |
開封と外観
スマート7「BT」は初代に続き2代目で、Bluetoothに対応し、スマートフォンアプリでオリジナルレシピの作成や有名バリスタのレシピをダウンロードしてご家庭で繰り返し再現できるようにパワーアップしました。
湯温、湯量、スピードを自由自在に設定できます。
スマート7で設定可能な項目
湯温 80℃~96℃の範囲で1度単位で設定可能
湯量 270ml~700mlの範囲で10ml単位で設定可能
スピード 1秒単位で設定可能
同封の付属品…本体、転倒防止スタンド、ゴムマット、コーヒーサーバー、V60用ペーパーフィルター、V60ガラスドリッパー、計量スプーン(写真には写っていません)、マニュアル(写真には写っていません)
V60コーヒーサーバー02サイズ(XGS-60)
おなじみのハリオのサーバーですね。市販品と同じものなので、万が一割ってしまっても入手が容易です。容量は600mlで1-4人分です。
V60ガラスドリッパー02サイズ
金属のカバーがあることでスタイリッシュさが演出されます。
専用のゴムのホルダーと金属部品のカバーに分解できます。
初回仕様時は洗剤で洗っておきます。
金属部品はおそらくは加飾目的だけなので、初回使用後使っていません。
転倒防止スタンドとゴムマット、純正のペーパーフィルターが40枚入っています。横から見たら「7」の形をしていて、スマート7という名称はこの形状からきているのだなと思いました。
転倒防止スタンドをセットしていきます。
手前に見えているには電源ボタンです。
コードが片面しから出せないため少し取り回しが悪いと思いました。設置場所によっては反対側から出せた方が良いのではないかと感じました。 パチっとはまらず少し浮いた状態でセットされますので押し込みすぎて破損しないようにご注意ください。
ゴムマットを敷いて完成
抽出口は真ん中の1点とそれを囲うよう8点あります。
ガラスサーバーをセットしたところ。
スタイリッシュで洗練されたデザインのため、インテリアを損ないません。
近未来的な佇まいです。
最初に行う作業
電源を入れたところ。「こんにちは」と表示されます。
apple製品を意識したのでしょうか。「こんにちは」と言われるとなぜか少しテンションが上がります。
初めて使うときの作業として「洗浄運転」を行います。
右下の「設定」を押します。表示されたメニューから「Cleaning」を押します
選択領域が狭いためか、少し感度が悪いのか、なかなかボタンが押せず少し難儀しました。
「手順に沿って洗浄を開始」を押す
「クエン酸洗浄の準備」と出ますが、今回は初回の使用なので必要ありません。
クエン酸洗浄は3か月~半年に一回行うことが推奨されています。
上部から水を500ml入れます
入口が少し狭めなので慎重に入れてください。
「洗浄運転の開始」を押す 洗浄運転が開始されます。 次に「すすぎ運転」がありますがこれも初回は必要ありませんので「すすぎ運転の中断」を行います。
これで使用準備が完了しました。まずはプリセットされている設定で抽出してみます
オートモードで淹れてみる
メニューの「オートモード」を選択。
最初に「前回使用時の水が残っていませんか」というポップアップが表示されますので「いいえ」を選択
オートモードでは必要な杯数を選択します。
ここで、右下の「抽出設定」で抽出の設定を変えられます
今回は2杯(270ml)抽出することにします。
水を入れ忘れない様にご注意下さい。抽出量よりは少し多めに入れておく方が良いです。
ドリップの湯音を「90℃」「93℃」「96℃」の3種類から
ドリップのスピードを「はやい」「おすすめ」の2つから選べます
今回は「93℃」、「はやい」で抽出していきます
杯数を選択した後の画面です。
「Grafh」で抽出のグラフを見れます。
「Start」で抽出開始します。グラフを見た感じでは
【「はやい」の抽出】
1投目 30mlのお湯を5秒で注ぎ25秒蒸らしを行い
2投目 100mlのお湯を15秒で注ぎ5秒間を空けて
3投目 70mlのお湯を11秒で注ぎ5秒間を空けて
4投目 70mlのお湯を11秒で注ぎ終了
スタートを押すと加温が始まります。設定の温度になってから抽出がスタートします。
つまり、1:17秒で出来あがる訳ではなく、これに加温時間を加算した時間がかかります。
「はやい」の場合、抽出開始から出来上がりまで1分17秒です。
最初に蒸らしてくれます。シャワー状にお湯が出てきます。
これは単純にすごいと思いました。勢いがうまく殺されている感じでコーヒーの層を壊さずに抽出されます。
ただ、蒸らし時に出てくる湯が多いのではないかと思いましたのでマイレシピモードでは自分で設定していきたいと思います。
1:17秒でお湯の排出が完了します。完了時は音が鳴りお知らせしてくれます。
サーバー内にまだ お湯が残っていますので、今回はこれが落ちるまで待ちましたが、意図的にドリッパー内にお湯を残したままドリッパーを外すことも可能です。
抽出完了したドリッパーをみてびっくりしました。
くりぬいたような状態になっていて、コーヒーの土手を壊さずにうまく抽出できていました。
味の感想としては、「少し薄目かな?」でしたので次は「はやい」ではなく、「おすすめ」で抽出していきます。
【「おすすめ」の抽出】
1投目 30mlのお湯を5秒で注ぎ25秒蒸らしを行い
2投目 100mlのお湯を18秒で注ぎ6秒間を空けて
3投目 70mlのお湯を13秒で注ぎ6秒間を空けて
4投目 70mlのお湯を13秒で注ぎ終了
赤字が「はやめ」との変更点
ケンケン
注湯時間が2~3秒長く、インターバルが1秒長いです。抽出時間は9秒長くなります
わずかな時間の差ですがこれが味にどのような変化をもたらすか注目です
実際に飲んでみた所、先ほどの「はやい」よりも「おすすめ」の方が明らかに濃く抽出されていました。わずか数秒の違いでこんなにも味に違いが出るのかと驚きました。ただ、「おすすめ」でも抽出時間は短めなのですっきりした味わいに仕上がりました。
マイレシピモードで抽出してみる
ここまではオートモードで試してみたのですが、次はマイレシピモードを試してみます。
最初にアプリをダウンロードします 言語の設定、会員登録、パスワードの設定等を行います。
アプリ起動画面。まずは右上の「BT」ボタンからスマホとペアリングします。本体に表示される数字を入力します 接続完了!
トップ画面に戻り、「マイレシピモード」を選択。「4:6メソッド」でおなじみの世界チャンピオン、粕谷氏のレシピもダウンロードできます。
今回は自分の設定で抽出していきます。
最初に湯温、コーヒーの量を設定します。
湯温は80℃~96℃の範囲で1度単位で設定可能です。
次に抽出量を設定していきます。
ここでは使用湯量を10ml単位で、湯を注ぐ時間を1秒単位、インターバルを1秒単位で設定できます。「むらし」から設定し、「投数の追加」から投数を追加できます。
投数は5投にしました。画面には写っていませんが下にスクロールできます。
設定が完了したら「レシピの保存」を押し保存します。
設定をしたらグラフで確認できます。
最後の5投目は100mlと多めにお湯を注ぎ、インターバルを長くとっています。
最後に多く注ぐのは、ハンドドリップの時のように、最後は多めのお湯を注ぎお湯が落ちきる前にドリッパーを外すためにこの設定にしました。
また、抽出時間のカウントは最後のインターバル時間を終えると計測終了してしまうため、抽出時間を最後まで計測したいので最後のインターバルは長めに設定しました。
抽出開始するとアプリ画面に現在の水温が表示されます。
マシンから離れていてもリモート操作でき、現在のステータスが分かります。
抽出中は残りの時間が常時されます。
私のように最終的にお湯が落ちきる前にドリッパーを外したい者にとっては非常にありがたい機能です。
あまり行わないと思いますが、中断も可能です
マイレシピモードで飲んでみてどうだった?
ケンケン
最初に飲んで思った事は「とても美味しい。ハンドドリップに近い味が出せている」でした。思わずにやけてしまいました。
おそらくはスマート7でハンドドリップのような抽出設定で抽出したものと、実際にハンドドリップしたものをブラインドテストをした場合、舌が良い方でないと違いが分からないと思います。
使用後の片づけは簡単!!
出来上がったコーヒーをカップに注ぎ、ドリッパーから使用済みの豆とフィルターと豆のカスを取り出します。ここまでは通常のハンドドリップと同じですね。
タンクに残ったお湯を排水します。
本体でもできますし、アプリ経由でもできます。
本体の場合、設定画面から「Drain」を押します。
タンクに残った排水されます
必ずドリッパーとサーバーを下に置いた状態で行ってくださいとのことです。
本体についた水滴をふき取ります。これはしなくても良いのですが、私は気になるので行っています。
わずかに茶色く色がつくので、コーヒーのわずかな跳ね返りもあるのだと思います。
排出口に少し水分がありますのでそれを先に拭くといい感じに水拭きできます。
タンクを直接加温するタイプである為、衛生的である反面、使用後は多数の結露が付きます。気になる方はこちらもふき取ってください。
蓋を開けてみると、内側に無数の水滴がついています。
水分が残ると細菌やカビの発生に繋がり、気になる方も多いのではないでしょうか タンクが取り外せない為水滴を拭き取るのは非常に困難で、ここはマイナスポイントです。
ふきんを菜箸でつかみ大まかにふきとりその後は蓋を開けた状態で水分を飛ばします。
スマート7の優れている点
- 湯温、湯量、スピードを細かく設定できるので理想の抽出に近づける
- ハンドドリップに近い味が出せる
- 再現性が高い
- 一度設定してしまえば次回からボタン操作数回で簡単に美味しいコーヒーができる
- デザインがスタイリッシュでカッコいい
- アプリを使う事で、世界チャンピオンやシェアされているレシピを再現できる
- サーバーやドリッパーを変えられる(メーカー推奨ではないかもしれません)
- タンク内で加温するため衛生的
- 本体にサーバーやドリッパーが内臓されていない為手入れが簡単
スマート7のイマイチな点
- 価格が高く気軽には手に入らない(レンタルでは安価に借りられる)
- 使用後タンク内に水滴が残るため衛生的に心配(ふき取ることで解消)
- タンクが取り外せない
まとめ
ハリオのスマート7は家庭用のコーヒーメーカーとしては最も優れたコーヒーメーカーだと思います。湯量、湯音、スピード、投数、抽出間隔を細かく設定できるため拡張性は無限大で、理想の味に近づけやすく、ハンドドリップに近い味が出せるコーヒーメーカーです。
再現性も高いので味を安定させることができます。
上記の悪い点が受け入れらる方には自信をもってお勧めできるコーヒーメーカーです。
まずはお試しで月々4000円、1シーズン(3か月)レンタルで試してみるのもいいかもしれません。
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HARIO コーヒーメーカー V60オートプアオーバーSmart7BT
レンティオについては別の記事にしていますので下のリンクからどうぞ♫
家電はレンタルする時代へ!【レンティオ】で最高級コーヒーメーカーを月額1000円で借りてみた!出典 公式HP
家電レンタルを利用した経緯
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