山善の電気ケトルYKG-C800-Eを使い始めて2年経ちましたので、長期レビューしていきいたいと思います。
温度管理できる電気ケトルを探している
出来れば安価に抑えたい
お湯を細く注ぎたい
見た目にもこだわりたい
自信をもっておすすめできます。
「これで十分」と思ってしまいました。
完成度は高く、「むしろ安すぎ」と感じました。
後継機種のNEKM-C1280が2020年10月中旬に発売になりましたが、マットな見た目が好きな方はこちらの旧モデルをお勧めします。
湯温管理は重要である
ペーパードリップが難しい理由に変動する要素が多いことがあげられます。
「測れるものは測る」が味を安定させるコツです。
湯温管理も味を安定させるうえでとても重要なことなのです。
湯温管理することにより自分の好みに味に近づけることが出来ますが、温度計を持っていなかったり、温度計の精度が今ひとつだったり、ケトルに温度計をさしながらドリップすると安定性が悪かったり、ドリップ中に湯温が下がったり、様々な問題があります。
今回紹介する山善の電気ケトルYKG-C800-Eはそういった問題が解消できる、高コスパの電気ケトルです。値段は現在6000円弱でした(2019年9月30日現在)
もちろん、通常のケトルとしても使えますし、コーヒーだけでなく、煎茶(75-80℃)や紅茶(100℃)なども適切な温度で抽出できます。
山善 電気ケトルYKG-C800-E基本情報
本体サイズ 幅28.5×奥行19×高さ24cm 重量約980g(ケトル・電源プレートセット時) 消費電力 1000W(50/60Hz) コード長さ 約0.9m 定格容量 約800ml 温度設定範囲 約60~100℃ 安全装置 電流ヒューズ・温度ヒューズ
ケトル本体の重さは565gで満水は800mlです。
特長
コーヒーやお茶にはそれぞれ最適な温度があるって知ってました?単に沸騰させたお湯では、十分に美味しさを引き出せない場合もあるんです。YAMAZENの『電気ケトル』は1℃単位で温度調節が出来るから、自分好みの味を引き出すことができますよ。「おうちでも本格的なコーヒーを楽しみたい!」というこだわり派のあなたにおすすめです。
- お茶の場合、茶葉によって美味しさや成分を引き出す温度がそれぞれ違うんです。YAMAZENの『電気ケトル』は1℃単位で温度調節ができるので、お茶の美味しさはもちろん、自分好みの味も引き出すことができます。おうちで本格的なお茶やコーヒーが飲めたら嬉しいですよね。
- また、おかわりする時に便利な60分間の保温機能も搭載。お好みの温度でお湯をキープすることができるので、とっても便利です。
※ 97~100℃で温度設定をした場合、96℃前後で保温。
- 出典 山善公式HP
オートオフ機能について
本製品はオートオフ機能がついています。
無操作状態が下記の時間経過すると、自動的に待機モードになります。
起動モード時・・・・・・・・・・ 無操作で5分経過した場合
加熱後(保温設定無し)・・・・ 加熱後、無操作で5分経過した場合
保温時・・・・・・・・・・・・・・・ 保温開始から無操作で1時間経過した場合 (保温を停止して待機モードになります) ケトルを取りはずした場合・・・ 電源プレートからケトルを取りはずした状態で、5分 経過した場合(保温時は除く)
外観
正面から見た図。マットブラックでチープな感じはしません。
電源ボタンが蛍のようにゆっくりと点滅し続けています。
こういうのが好きな方もいるのではないでしょうか。
色はブラックの他にホワイトもあります。
ノズルは細口です。
先端の様子
精度もまずますといったところでしょうか。
取っ手。
適度な太さで男性女性問わずに持ちやすいと思います。
親指をのせる部分もあります。親指に合わせてカーブを付けており、非常に持ちやすいです。ちょっとしたことですが、ケトルの持ちやすさはドリップの安定化につながりますので好ポイントです。
持ちやすさに関してはカリタのケトルと比べても遜色なく、開発の段階でかなり練ったのではないでしょうか。
電源を入れてみたところ。
現在の温度が1℃刻みで表示されています。
土台(ヒーター)
縦約19cm×横約16.5cm
長方形なのでスペースを確保しやすいです。
土台裏面
コードを巻き取る機構があればなお良かったと思います 蓋
上部が平らで、それほど熱くなりません。
蓋の裏面。上部の樹脂部分が緩くなってきたときにネジでしめることが出来ます。
買って最初のうちは硬くて開けにくかったのですが使っているうちに開けやすくなりました。
我が家で愛用していたカリタのケトルとの比較
コーヒー達人ペリカンとの比較
コーヒー達人ペリカンは660gで山善の電気ケトルが565gです。
容量はペリカンが1Lで山善が800mlです。
山善のケトルは意外と軽量で持ちやすいです。
注ぎ口の様子
ペリカンは鶴口になっており、注湯の強弱が自由自在です。点滴も可能です。
山善は細口でお湯を細く注ぎたい人に適しています。
銅ポットとの比較
銅ポットの重さは540gで容量は700mlです。山善の電気ケトルは565gです。
銅ポットは山善のケトルに比べて、一回りコンパクトです。
注ぎ口の様子
銅ポットは鶴口です。山善の電気ケトルよりも少し太めです。
ビタントニオ アクティ 温調ドリップケトル [VEK-10-K]と比べてどうなの?
最近比較されることが多いビタントニオの電気ケトルです。
- まずは価格差が約2倍あります(ビタントニオ→11500円 山善→円 ※2019年9月30日現在)
- 消費電力に差があり、ビタントニオは1200Wあり、山善は1000Wなので、ビタントニオの方が早くお湯が沸くと思います。
- ビタントニオは持ち手が太く、手の小さい人や、女性には持ちにくいのではないかと感じました。親指を載せる部分も、私にとっては山善の方が乗せやすかったです。(実機を店頭で触ってきました)
- 実際に使ったことがないのでドリップの感触はわかりません。
以上を踏まえると、2倍の価格差を埋める性能差があるのかは私にとっては疑問的でした。
ただし、ビタントニオの方が優れている部分もあり、そこに価値を見いだせるのであれば選択肢に入ってくると思います。
可能であれば店頭にて触ってくることをおすすめします。(ビタントニオは私が住んでいる田舎にはあまり置いていませんでしたが…
実際に使ってみた
①水を満水まで入れます。
MAX800mlです。
底に見えているのは温度計のセンサーです。
重心を揃えるために、私は抽出量に関わらず水を満水までいれるようにしています。
説明書にも、
「温度センサーが浸かるように最低300ml」
「水量が少ない状態で加熱すると、加熱完了 後にヒーターの余熱で設定した温度よりも 水温表示があがることがあります。 1℃単位で温度を設定したいときは、半分以上水を入れることをおすすめします。」と記載されています。
②温度をセットします。
温度はプリセットで登録されており、「温度設定ボタン」を押すたびに60℃→70℃→80℃→85℃→90℃→95℃と上昇していきます。 83度で抽出したかったので、「温度選択ボタン」で85℃にしてから「−」ボタンを2回押して83度にします。
温度選択ボタンで大まかな温度設定を行い、「−」「+」で1度単位で設定していくと良いと思います。
ここはマイナスポイントでした。
タッチスイッチで、物理ボタンを採用していないため仕方がないのかもしれませんが、時々ストレスを感じます。
説明書には指の腹でタッチるように、以下のタッチは避けるように書かれていました。
- 指先やツメでタッチ
- 操作部に汚れや水滴が付着した状態でタッチ
- 手袋やばんそうこうをしてタッチ
以上に注意してきとんと押しているのに「−」の反応がやはり悪いです。
温度を選択したら保温ボタンを押します。
保温モードとは、指定した温度をキープする機能で、湯をわかしてすぐにドリップしない場合、非常に便利な機能です。
保温モードにしない場合は、温度選択をしたらそのままにしておくと湯沸しが始まります。
指定した温度まで温度が上昇したら電源が切れます。
指定した温度になるまで待ちます。
一気に83℃まで上がるのではなく、20度ぐらい手前から、間欠的にヒーターがオン、オフを繰り返し、微調整しながら温度をあげていきます。
この制御のためか、お湯をわかすのに少し時間がかかります。
28℃→83℃まで4分36秒かかりました。
なお、26℃→100℃に沸騰させた場合は4分48秒かかりました。
沸騰させる場合には「沸とう」スイッチを押します。
83度にするのも、100度にするのも時間は結果的にあまり変わりませんでした。
お湯が沸くのに時間がかかるため、時間を気にされる方には向かないかもしれません。
私はお湯を沸かしている間に、豆を挽いたり、ドリッパー、サーバー、フィルターをの用意を行いますのであまり気になっていません。
③お湯が沸いたら器具の湯通しを行います。
④ドリップを行います。
世界チャンピオンの抽出法「4:6メソッド」で抽出しました。
4:6メソッドは別の記事にもしています。
お湯を細く注げます。
少し傾けると下向きに落とせます 勢いをつけると弧を描いて前の方に落ちます。
使ってみてどうだった?
山善の電気ケトルは、そこそこ細く注げます。
また、持ち手から、先端までの距離が近く、コントロールしやすかったです。
これはペーパードリップを行う上で、非常に重要なポイントです
湯切れはよく、お湯が垂れてくることはありません。
こちらのケトルは6000円弱(2019年9月30日現在)と低価格ながら、ケトルとしての基本を抑えていることは高ポイントです。
カリタのペリカンや銅ポットに負けないぐらいドリップしやすかったです。
さらに言うと、山善のケトルはカリタのペリカン達人や銅ポットよりも細く注げます。むしろ、1杯取りについては山善のケトルの方がやりやすく感じました。
逆に、太く、早く注ぐのは不得意です。
細く注げない初心者の方、太く注ぐ必要がない人には適しているケトルと言えます。
想像していたよりもずっと完成度が高いと思いました。
気になった点
使用後はお湯が抜けきらずにどんなに頑張っても水が少し残ります。
これは、ノズルの穴が底よりも少し上についている為です
毎回煮沸するとはいえ、このままにしておくのは精神衛生上良くありません。 そこで、私は使用後はふきんで拭き取っています。
使用後はケトルが熱くなっているうえ、底が深いのでさいばしを用いて拭きとっています。
面倒ではありますが、ルーティーン化したらそう気になりません。
それと、非常に微量のお湯を注ぐのは不安定で不得意のようです。
微量のお湯を出そうとした場合お湯が内側に入ってきて言うことを聞かず、蒸らしが少しやりづらく感じました。点滴もできません。
その為ある程度の量を出さないと出てきたお湯が安定しない為、ドリップの際に土手を壊す事がよくありました。ここに少し改良の余地があるかもしれません。
まとめ
以下の良い点と悪い点をまとめました。
- 実売価格6千円弱とコスパ最高
- 細く注ぐことができる
- 持ち手から先端までの距離が近くコントロールしやすい
- ケトルが軽い
- ハンドルが持ちやすく親指を置く部分がうまくできている
- 湯切れも良く垂れてこない
- 温度管理を1度単位でできる
- 温度をキープできる
- マットなデザインでフォルムもかわいくデザインもそこそこ良い
- お湯がケトル内に残る
- 太くは注ぐのは苦手。
- 微量を出すとお湯が内側に入ってきて点滴ができない。その為ある程度の勢いをつけなければならないがその場合コーヒーの土手が壊れがち
- タッチスイッチの感度が悪い(個体差かもしれないが)
後継機種が発売されています!
2020年の春に第二世代のEGL-C1280というモデルが発売になっていました。
こちらは電力が1000Wから1200Wにパワーアップしており、台座部分が薄くコンパクトになっています。また、ブロンズやシルバーの加飾が加わり高級感を出しているようです。
また、2020年の10月には第一世代のYKG-C800(従来品)を第二世代同様に1200Wにハイパワー化、台座部分をコンパクトに改良した第三世代の「電気ケトル NEKM-C1280」が全国の家電量販店で発売されました。
ハンドルの太さとデザインを変えることで、従来品より握りやすく、ケトルを持つ手が疲れにくい構造に改良したとのことでした。
見た目もぽってりしたシルエットから直線的なデザインに変更しています。蓋の形状も変わっています。見た目もマットな質感から光沢のある仕上げに変わっています。
こちらのモデルを最近購入して新旧機種で徹底比較しています。以下のリンクからどうぞ♪