コーヒーと健康

【カフェイン】の量は1日どれぐらい?各国の基準をもとに考えてみた

ケンケン
ケンケン
コーヒー好き薬剤師でJ.C.Q.A認定コーヒーインストラクター1級の資格を持つケンケンです。
コーヒーを飲む方はカフェインの量が気になりませんか?今回は、カフェインの量について考えて行きたいと思います。
この記事はこんな人におすすめ

カフェインの量が気になっている

妊娠中である。または妊娠の可能性がある

コーヒーを毎日大量に飲む

カフェインの効能と、過剰摂取で起こる症状

カフェインの効能としては、眠気覚ましなどの興奮作用や、尿の排泄を促す利尿作用などが広く知られていますが、この他にも、「自律神経の働きを高める」「集中力を高め作業効率を向上させる」「運動能力を向上させる」など様々な働きが明らかになっています
出典:全日本コーヒー協会

コーヒーの一般的に知られている作用です。こういった目的でコーヒーを飲用する人が多いと思います。

コーヒーは、適切に摂取すれば、がんを抑えるなど、死亡リスクが減少する効果があるという科学的データも知られていますが、カフェインを過剰に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。
出典:農林水産省

コーヒーを飲みすぎてこういった症状が出たことがありませんか?健康にいいとされているものでも、取りすぎはよく無いですよね。

日本ではカフェインの上限量が無い

実は日本では、カフェインの上限量というものが有りません。しかし、こういった基準が無いからといっていくらでも摂って良いという訳ではありません。
現に、日本でも2015年に国内初のカフェイン中毒死者が出ています。この件が示すように、過剰摂取には注意が必要です。

ケンケン
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日本では基準が無いため、諸外国の基準値を目安に考えていきたいと思います

食品に含まれるカフェイン量

ケンケン
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コーヒーは、コーヒーカップ1杯(150ml)あたり約90mgカフェインを含んでいます。
コーヒーやお茶以外の飲料はイメージしやすいように1本あたりのカフェイン量を記しています。
特に、エナジードリンクはコーヒー以上にカフェインを含むものもあり、過量服用に注意が必要です。

各国におけるカフェインの摂取に関する注意喚起

各国の基準をまとめてみました。

各国でのカフェイン量

米国
400mg(健康な大人の1日量)

欧州
400mg(妊娠を除く大人の1日量
200mg(妊娠を除く大人の1回量
200mg(妊婦および授乳婦の1日量)

カナダ
400mg(健康な大人の1日量)
300mg妊婦や母乳で保育している母親の1日量
45 mg(4~6歳の1日量)
62.5 mg(7~9歳1日量)
85 mg 10~12歳1日量)

豪州・ニュージーランド

210 mg(大人の1日量)

95mg(5〜12歳の1日量

ケンケン
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以上を参考にすると
健康な大人では1日あたり400mg
(コーヒーで換算で666ml、コーヒーカップ4杯)、

妊婦や授乳中のお母さんは1日あたり200mg
(コーヒーで換算で3
33ml、コーヒーカップ2杯)程度を目安にすると良いのではないでしょうか。

子供であれば3 mg/kg体重/日が目安になりますが、
カナダの基準を参考にすれば、コーヒー1杯(150ml)を飲みたければ12才以降になるのではないでしょうか。

豪州、ニュージーランドの基準が少なめなのは、他の国と異なり、カフェインの作用のひとつである不安作用を基準に考えているからではないかと推測しました。

ケンケン
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ここで注意しなければならないのは、コーヒーだけの量で換算しているため、他のカフェイン含有飲料を飲めば当然飲めるコーヒーの量も減ってきます。特にエナジードリンクはカフェイン含有量が多いため過量にならないように注意が必要です。

 

以下に詳細と引用先を記載しています。

米国

保健福祉省(DHHS)及び農務省(USDA)による2015年の栄養ガイドラインに関する科学レポートでは、健康な大人では、適正なカフェイン摂取、すなわち1日当たり3~5カップ又は1日当たり400 mgまでであれば心血管疾患などカフェインの慢性的毒性のリスクは増加しないとしています。
一方、カフェインをお酒(アルコール)と一緒に摂取した場合の健康影響について懸念を示しており、アルコールとエナジードリンクを一緒に摂取するべきでないとしています。

(参考)
Scientific Report of the 2015 Dietary Guidelines Advisory Committee
外部リンク 

米国FDAによるカフェインに関する消費者向け情報提供
外部リンク 

 欧州

欧州食品安全機関(EFSA)は、2015年にカフェインについてリスク評価を行っています。
大人では、カフェイン摂取量が3 mg/kg体重であれば急性毒性の懸念はないとし、これから、体重70 kgの大人であれば、1回当たり200 mgのカフェイン摂取であれば健康リスクは増加しないとしています。また、習慣的なカフェイン摂取に関しては、妊婦を除く大人では1日当たり400 mgまでであれば健康リスクは増加しないとしています。
妊婦及び授乳婦については、習慣的なカフェイン摂取に関し、1日当たり200 mgまでであれば、胎児や乳児の健康リスクは増加しないと評価しています。
子供については、長期的・習慣的なカフェイン摂取に関する研究が少なく不確実性が残るものの、大人と同様、3 mg/kg体重/日であれば悪影響が見られないと推測されるとしています。 

(参考)
Scientific Opinion on the safety of caffeine  EFSA Journal 2015;13(5):4102
外部リンク (外部リンク)

 カナダ

2003年に食品中のカフェインについてレビューした結果から、以下の推奨摂取量を定め、2010年に消費者向けに注意喚起しています。

4~6歳の子供では、1日当たり45 mg
7~9歳の子供では、1日当たり62.5 mg
10~12歳の子供では、1日当たり85 mg
(コーラは、355 mL缶(12オンス)1~2缶まで)
妊婦や母乳で保育している母親は、1日当たり300 mg
(コーヒーは、237 mL(8オンス)カップで2杯まで)
健康な大人は、1日当たり400 mg
(コーヒーは、237 mL(8オンス)カップで3杯まで)

(参考)
Caffeine in Food Health Canada
外部リンク

豪州・ニュージーランド

2014年にカフェインについてのウェブページを公表しています。
一日許容摂取量(ADI)などのガイダンス値は設定されていないとしつつも、カフェインの作用のひとつである不安作用(Anxiety level)から、子供では、3 mg/kg体重/日 を指標としています。5~12歳の子供では、1日当たり95 mg(コーラ約2缶)大人では210 mg(インスタントコーヒー約3カップ)に相当するとしています。

(参考)
外部リンク

まとめ

1日のカフェイン量の目安

健康な大人では1日あたり400mg
妊婦や授乳中のお母さんは1日あたり200mg
子供であれば3 mg/kg体重/日

ケンケン
ケンケン
日本にはカフェインの上限量がありませんが、各国の基準を参考にすれば1日にどれぐらいカフェインを摂って良いかをおおよそイメージできると思います。カフェインの摂りすぎに注意し、上手に付き合っていきましょう